Unityでゲームを作っていると、エフェクト演出やUI遷移、敵の行動など「プレイヤーが一時的に操作できない時間」が自然と発生します。
この時間、意識して設計していますか?
「演出が終わるまで何もできない時間」は、ともすればユーザーのストレスになります。一方で、適切に設計された“間”は、ゲームの没入感や納得感を高める重要なファクターにもなります。
本記事では、「操作できない時間」についての考え方と、Unity実装での具体的なコントロール手法を紹介します。
なぜ“操作できない時間”が必要なのか?
操作できない時間が生まれる典型的な場面には、以下があります:
- スキル発動中のエフェクト演出
- マップやUIの切り替えアニメーション中
- リザルト表示やステージ遷移演出
- チュートリアルや強制イベント中
これらの時間は、**ユーザーの操作とロジック処理が競合しないための“安全領域”**です。また、プレイヤーに情報を見せたい/感情を作りたいという演出意図にも関わってきます。
演出の“納得感”と“操作制御”は表裏一体
ユーザーは操作できない状態に陥ったとき、その理由が明確ならばストレスを感じません。
- スキル演出中 → 見せ場だから待てる
- UI切り替えが遅いだけ → ストレス
つまり、“操作を奪う”こと自体が悪なのではなく、その理由がプレイヤーに伝わらないことが悪なのです。
Unityで操作不能状態を設計する方法
1. 透明なUIを出して「入力を吸収する」
Canvas
上に全画面Image
を表示し、Raycast Target
をONにするだけ- 操作を遮断しつつ、演出はその下で再生可能
- アニメ中のUI連打によるバグ防止にも効果大
2. 操作フラグで制御する(注意点あり)
isInputEnabled
的なブール値でガードする方法- 複数の操作対象があるとき、制御の責務が分散しやすいので設計注意
// 操作不能時間を制御する簡単な例
bool isInputEnabled = true;
void Update() {
if (!isInputEnabled) return;
// 通常の入力処理
}
IEnumerator ShowEffectAndBlockInput() {
isInputEnabled = false;
// エフェクト再生処理
yield return new WaitForSeconds(1.5f); // 1.5秒待つ
isInputEnabled = true;
}
3. DOTweenやCoroutineで待機処理中に一時制御
- 一連の処理の流れの中で
yield return
により待機 - その間に
Input
を遮断する仕組みを併用する
プレイヤーの納得感を高める工夫
● 操作不能時間は「短く」「明確に」
- 何秒かかるのか分からない待機はストレス
プログレスバー
やエフェクトの終わりを視覚化
するなどの明示が有効
● 操作不能解除のタイミングは“視覚トリガー”で
- アニメ終了時など、明確な“目印”があると納得感が増す
- 逆に、「音だけ鳴って操作可能になる」などは混乱を招きやすい
まとめ:間(ま)をコントロールする設計力が、ゲーム体験を変える
「プレイヤーが操作できない時間」というとネガティブに聞こえるかもしれません。
しかし、これはゲーム設計における**“演出と制御の緩衝材”**でもあります。
- 演出の見せ場を作る
- 操作と演出の競合を防ぐ
- UI連打によるバグや誤操作を防ぐ
こういった観点で「操作不能時間」をきちんと設計できると、ゲームの体験はより滑らかになり、ユーザーの“納得感”も高まります。
今後、何かの処理中に「プレイヤーの操作を一時的に奪う」場面があれば、ぜひその時間の意味と見せ方に目を向けてみてください。
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